未登記建物の相続
◇未登記建物の相続
・時折相続に関する相談がありますね。
相続が発生し、故人名義不動産の所有権移転登記が相談内容の中心の場合、知人の司法書士を紹介します。
・日を改め、司法書士を案内してお客様宅にお伺いするわけです。
お客さんに対峙した司法書士が「固定資産評価証明書記載の建物の面積と登記簿記載の建物の面積に大きな違いがあります。別の建物ではありませんか。」という質問をされる事があります。
・その質問の意味を解説すると『相続による所有権移転登記の際に、登録免許税を納めます。
登録免許税の計算には固定資産評価証明書の評価額が基準になります。』
『ところが、固定資産評価証明書に記載された建物の面積と登記簿記載の建物の面積が大きく違えば別の建物という判断になります。建物が異なれば登録免許税額が算出できません。加えて所有権移転登記もできません。相続した建物と異なるのですから。』という事になるのですね。
・建物の登記については表示登記がされないケースが多々ある。という事は周知の事実でしょう。自己所有資金で新築する場合は表示登記と所有権保存登記について、誰からも「登記をせよ」という請求はありませんから、つい先延ばしになるのでしょう。もったいないという感覚も生じるのでしょう。
それに対し、固定資産税は賦課漏れを防ぐため市町村がこまめに建物の現状を調べているようで、未登記の建物でも拾い出して課税台帳に記載されるのでしょう。
・話を戻します。登記と固定資産税評価証明書の建物の面積が異なるのですから、登記後に増築されたものか、現在の建物を立てる前の建物についての登記かという事になります。
建築年度から大体想像がつくと思いますが・・・。
解決に向けての現実問題としては、土地家屋調査士に依頼して表示登記を適切な形にして、その後に司法書士が相続による所有権移転登記をする事になりますね。
・上記のようなケースに遭遇した人は、土地家屋調査士と司法書士に登記を依頼するケースですからそこそこ費用もかかるでしょう。
そうすると相続による所有権移転登記には消極的な気持ちになる可能性もありますね。
なにせ登記せずに放置した場合に不利益を受ける具体性が見えてこないケースであれば。
だからでしょうか故人名義の所有権登記が残っているのは。
・私は行政書士ですから登記は業務外の事です。事の成り行きを見守る立場になります。
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