見る場所とか見る方向により、物事は違ってみえる
滋賀県に行ってきました。琵琶湖の西岸の山上から琵琶湖を一望してきました。
琵琶湖は海のように広く感じますが、山上から見ると湖であることが一目でわかります。理解できます。見る場所とか見る方向により、物事は違ってみえる事を実感しました。
その後、大津の坂本に移動しました。坂本は比叡山延暦寺の門前町という位置付けです。坂本からケーブルカーが山上の延暦寺にむかって敷設されています。
坂本の特徴は石垣を有する塔頭とか屋敷が数多くある事ではないでしょうか。
石垣は城郭の石垣を彷彿させる積み方で完成度の高い安定感を感じさせます。坂本の隣町の「穴太[あのう]」は石積の仕事で栄えた町です。城郭の石垣を積んでいたのは「穴太の人たち」。というのが城郭好きの間では定番の知識です。この坂本では、土中に掘られた石積みの通路も巡ってきました。ある庭園の一角にありました。ずいぶんと完成された緻密な積み方です。
ところで比叡山延暦寺と対比されるのが高野山金剛峰寺です。高野山の場合は山上に盆地があり、高野町という門前町全体が山上にあります。そのためか高野町は金剛峰寺への観光客で賑わっているのに対し、坂本はひっそりと静まった門前町です。不思議な対比を感じます。
ただ比叡山延暦寺の場合は坂本とは反対側の山麓は京都です。京都から登っていくのがメインで坂本はサブともいえます。実際に京都市内から叡山電鉄、ケーブル、ロープウェイが敷設されています。でも京都は延暦寺の門前町ではありません。そのような説明は聞いた事がありません。要は延暦寺の塔頭である関係寺院が坂本に多く集まっているから門前町と位置付けされているのでしょう。でも門前町特有の土産売店は坂本ではほとんど見られませんから門前町機能は限定的に思えます。
門前町は門前にあるとは限らない。「見る場所とか見る方向により、物事は違ってみえる」という事でしょう。何事も見方を変えてみませんか。違った側面を見るために。
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